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Webセキュリティに対する様々な攻撃手法

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Webセキュリティに対する攻撃手法

Webセキュリティにはさまざまな攻撃手法が存在します。

以下に、一般的なWebセキュリティ攻撃のいくつかを紹介します。

パスワードクラッキング

パスワードクラッキングは、悪意を持つ者がパスワードを解読して不正アクセスを試みる行為を指します。これはセキュリティ侵害の一形態であり、個人や組織の機密情報やデータにアクセスしようとする攻撃の手法です。

辞書攻撃

辞書攻撃(Dictionary Attack)は、パスワードや暗号鍵を推測するために、辞書や単語リストを使用して試行錯誤的に攻撃を行う手法です。攻撃者は、一般的なパスワードや単語のリストを用意し、それを対象のアカウントやシステムに繰り返し試すことで、正しい認証情報を見つけ出そうとします。

ブルートフォース攻撃

ブルートフォース攻撃(Brute Force Attack)は、全ての可能な組み合わせを試行し、正しいパスワードや認証情報を見つけ出そうとする手法です。攻撃者はすべての組み合わせを順番に試し、目的の情報を突き止めることを試みます。これは非常に単純で力任せな方法であり、他の攻撃手法と比較して時間がかかる可能性がありますが、対策が不十分な場合に効果的であることがあります。

DoS攻撃

DoS(Denial of Service)攻撃は、攻撃者が特定のサービスやリソースに対して過剰なトラフィックやリクエストを送り込むことで、正規のユーザーがそのサービスを利用できなくなるようにする攻撃です。DoS攻撃は、サービス提供者が提供するサービスやリソースに対して、一時的または永続的なサービスの中断を引き起こします。

以下は、DoS攻撃の主な手法と対策についての一般的な情報です。

DoS攻撃の手法

  1. フラッディング攻撃(Flooding Attack)
    • SYN Flood

      TCPのThree-wayハンドシェイクを悪用して、大量のSYNリクエストを送りつけ、サーバーのリソースを使い果たす。

    • UDP Flood

      大量のUDPパケットを送り込み、サーバーを過負荷にさせる。

    • HTTP Flood

      大量のHTTPリクエストを送りつけ、Webサーバーを過負荷にさせる。

  2. リフレクション攻撃(Reflection Attack)

    攻撃者が他のコンピュータやサービスを介して、ターゲットに対して攻撃を行う手法。DNS Amplification攻撃がその一例。

  3. ソケットの枯渇

    サーバー上で使用可能なソケットの数を使い果たすことで、新しい接続を拒否する。

対策

  1. トラフィックフィルタリング

    ファイアーウォール」や「IPS(Intrusion Prevention System)」などを使用して、異常なトラフィックを検知・遮断する。

  2. 負荷分散

    複数のサーバーにトラフィックを均等に分散することで、単一のサーバーへの攻撃を緩和する。

  3. クラウドベースのサービス

    クラウドベースのDDoS防御サービスを利用して、分散型の攻撃から保護する。

  4. 帯域幅制限

    サービス提供者やネットワーク管理者が帯域幅の制限やトラフィック制御を行う。

  5. セキュリティポリシーの最適化

    サービス提供者や組織がセキュリティポリシーを最適化し、適切な設定を行う。

DoS攻撃は進化しており、対策も常に改善されています。セキュリティプロフェッショナルやネットワーク管理者は、新たな脅威に対処するために最新のセキュリティベストプラクティスを適用する必要があります。

UDP Flood攻撃

UDP Flood攻撃は、DDoS攻撃の一種であり、攻撃者が大量のUDP(User Datagram Protocol)パケットをターゲットのサーバーやネットワークに送り込む手法です。UDPは通信プロトコルの一つであり、接続の確認やデータの信頼性を確保するTCPとは異なり、非常に効率的にデータを送受信することができる反面、信頼性が低いという特徴があります。

F5攻撃

Webページに大量にアクセスをし続けることで、リクエストの反応ができなくなるまでWebサーバーの負荷を高める攻撃です。

Webサーバーが高負荷になると、サーバーのレスポンスが遅くなったり、返ってこなくなります。

SYN Flood攻撃

SYN Flood攻撃は、TCP通信のThree-Wayハンドシェイクを悪用して行われるDenial of Service(サービスの拒否)攻撃の一形態です。攻撃者は大量のTCP接続要求(SYNパケット)をターゲットのサーバーに送り込み、その後のハンドシェイクを完了させないままに接続を開始しようとすることで、サーバーのリソースを消耗させ、正規な通信を妨害します。

SYN Flood攻撃の主な特徴は以下の通りです。

  • TCPハンドシェイクの悪用

    攻撃者は、TCP通信のThree-Wayハンドシェイク(SYN、SYN-ACK、ACK)の最初のステップであるSYNパケットを大量に送り込みます。

  • 未完了の接続

    攻撃者は、SYNパケットを送り込んだ後、正当なACK応答を行わずに接続を放置します。これにより、サーバー上に未完了の接続が残り、リソースが消耗されます。

  • サーバーのリソース枯渇

    大量の未完了の接続がサーバー上に残ることで、サーバーのTCP接続リソースや帯域幅が枯渇し、正規な通信の処理が難しくなります。

  • サービスの拒否

    SYN Flood攻撃が成功すると、サーバーは正常な通信を処理できなくなり、サービス提供が一時的または永続的に拒否されます。

Webシステムの特徴を利用した攻撃手法

セッションハイジャック

セッションハイジャック(Session Hijacking)は、攻撃者がユーザーのセッションを乗っ取り、そのユーザーとしての権限を不正に取得する攻撃手法の一つです。通常、ユーザーがログインした後、ウェブアプリケーションやオンラインサービスとの通信に使用されるセッションIDやトークンなどが攻撃者によって取得され、それを利用して不正な活動が行われます。

セッションハイジャックの主な手法や対策について以下にまとめています。

攻撃手法

  • キャプチャやスニッフィング

    攻撃者はネットワーク上の通信を傍受し、セッションIDなどの重要な情報を盗み見ることがあります。

  • クッキーの盗み取り

    クライアント側に保存されているクッキー情報が盗まれることで、攻撃者はそのユーザーのセッションを乗っ取ることができます。

  • セッション固定化攻撃

    攻撃者が不正に取得したセッションIDを使用して、ユーザーのセッションを制御する手法です。

  • クロスサイトスクリプティング(XSS)

    攻撃者が不正なスクリプトを注入し、それがユーザーのブラウザ上で実行され、セッション情報が盗まれることがあります。

対策

  • HTTPSの使用

    セキュアな通信チャネルを提供し、通信内容の暗号化を実現します。

  • セキュアクッキーの実装

    クッキーにSecure属性やHttpOnly属性を設定することで、クライアント側のセキュリティを向上させます。

  • セッションのタイムアウト

    セッションが一定時間経過すると自動的にログアウトするような仕組みを実装し、セッションの寿命を制限します。

  • セッションIDの再生成

    ログインや重要な操作が行われるたびに、新しいセッションIDを生成することで、攻撃者がセッションIDを予測しにくくなります。

  • セッション監視

    ユーザーの行動やログインのパターンを監視し、異常な活動が検知された場合には適切な対策を講じる仕組みを実装します。

これらの対策を組み合わせることで、セッションハイジャックからの保護を向上させることができます。

ディレクトリトラバーサル

ディレクトリトラバーサル(Directory Traversal)は、ウェブサーバーなどのアプリケーションが提供するファイルやディレクトリへのアクセス制限を回避して、システム上のファイルやディレクトリにアクセスしようとする攻撃手法の一つです。この攻撃は、「ドットドットスラッシュ(../)」などを利用して、通常はアクセスが許可されていないディレクトリにアクセスすることを試みます。

攻撃者が目指すのは、通常はアクセスが制限されているディレクトリや重要なファイルにアクセスすることであり、それによって機密情報を取得するか、システムに悪影響を与えることがあります。

スクリプトを送り込む攻撃手法

クロスサイトスクリプティング(Cross Site Scripting : XSS)

XSS(Cross Site Scripting)は、ウェブアプリケーションにおいて発生するセキュリティ脆弱性の一つであり、攻撃者が悪意のあるスクリプトをウェブページに挿入し、ユーザーのブラウザ上で実行させる攻撃手法です。この攻撃により、攻撃者はユーザーの情報を盗む、セッションを奪取するなどの悪意ある行動を行うことが可能となります。

クロスサイトリクエストフォージェリ(Cross Site Request Forgery: CSRF)

クロスサイトリクエストフォージェリ(Cross-Site Request Forgery: CSRF)は、攻撃者が被害者のアカウントを悪用して意図しない操作を行わせる攻撃手法の一つです。攻撃者は被害者による不正なリクエストを生成し、それを実行させることで、被害者の権限を利用して不正なアクションを引き起こします。

CSRF攻撃の主な特徴と対策について以下にまとめています.

CSRF攻撃の特徴

  • 被害者の認証利用

    攻撃者は被害者が既に認証された状態で攻撃を行います。被害者がログインしているセッションが利用されます。

  • 意図しない操作

    攻撃者は被害者の意思に関係なく、悪意のある操作を実行させようとします。例えば、資金の送金、アカウントの設定変更など。

  • 第三者のサイトを利用

    攻撃者は悪意のあるリクエストを含むHTMLやJavaScriptを、被害者が訪れるであろうサイトに埋め込んでおきます。

CSRF攻撃からの保護は、複数のセキュリティ対策を組み合わせて利用することが重要です。上記の対策を組み合わせ、開発者やシステム管理者が常に最新のセキュリティベストプラクティスに従うことが必要です。

SQLインジェクション

SQLインジェクションは、悪意のあるSQLクエリを挿入し、データベースに対する不正なアクセスを試みる攻撃手法の一つです。この攻撃は、不適切な入力検証やエスケープ処理が行われていないウェブアプリケーションやデータベースによって引き起こされます。攻撃者はSQLインジェクションを利用して、データベースから情報を抽出したり、データの改ざんを行ったりすることが可能です。

セキュリティホール

セキュリティホール(Security Hole)は、情報システムやソフトウェアにおいて、悪意のあるユーザーや攻撃者によって利用される可能性がある脆弱性やセキュリティの問題を指す言葉です。セキュリティホールが存在すると、悪意のあるユーザーがシステムやソフトウェアに不正アクセスしたり、機密情報を取得したりする可能性が高まります。

発見されたセキュリティホールは、「脆弱性情報データベース」というデータベースで管理され、一般公開されています。また、ソフトウェアの開発元は、セキュリティホールが発見されると直ちに「修正プログラム」を開発し、利用者に配布することで被害の拡散を防いでいます。

ゼロデイ攻撃

ゼロデイ攻撃(Zero-Day Attack)は、ソフトウェアやハードウェアに未知の脆弱性(ゼロデイ脆弱性)が存在し、その脆弱性がベンダーや開発者によって修正される前に、攻撃者がその脆弱性を利用して攻撃を行う手法です。攻撃者が脆弱性を知っている一方で、その情報が開発者やセキュリティコミュニティにはまだ公開されておらず、対策が存在していません。